雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

偶然の音楽

偶然の音楽 (新潮文庫)

偶然の音楽 (新潮文庫)

 ポールオースター著、柴田元幸訳。どこへでも行けるようで、どこにも行けない主人公。動くこと自体が目的だった旅が終わり、どこにも行けなくなってしまったが、まだもう少し物語は続く。居場所が無いことが切ないのか、行くべき場所がないことが空しいのか。動と静が対峙する。


 少し哀しい小説だった。そしてそれもまた、ポール・オースターらしさなのだろう。