- 作者: 蒲島郁夫,竹下俊郎,芹川洋一
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
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蒲島郁夫、竹下俊郎、および芹川洋一著。政治との関わりにおいて、マスメディアはどういう立ち位置にあり、どのような役割を果たし、どのように活動しているのかを簡潔に記した、研究入門書とでも言うべき本。最近、改訂版も出たそうだ(メディアと政治 改訂版 (有斐閣アルマ))。日頃からぼんやりと考えていたことを、明確に言語化してくれた書籍だったように思う。以下は読書メモ。
- メディアは疑似環境を作ることが出来る。市民の認知レベルにおける、議題設定、争点設定能力および第三者効果がメディアの武器。
- トリックスターとしてのメディア(報道姿勢における一貫性の無さこそがメディアの身上)
- 現代のような(寡占型)巨大営利企業時代においてメディアに表現の自由が認められる根拠は、基本的人権(の延長)によるものと考えるべきではなくて、公共利益説をとるべきである。逆に言うと、公共の利益に資することがない報道や発言については、メディアは表現の自由を主張しえない。
- 報道の中立性を守ることの困難さ。偏向報道。
- 広告型ビジネスモデルによる制約、特にテレビ(NHK含む)における視聴率競争。
- メディア界のムラ社会性と横並び体質
- 政策より政局を重視する報道、権力闘争に重点を置きすぎた報道。
- 小泉首相とワイドショー政治について。メディア自身がポピュリズムへの推進役を担っている。