小耳にはさもう

小耳にはさもう (朝日文庫)

　ナンシー関著。ふと手に取った本だが、面白い。鋭い突っ込みの土台にあるのは、揺るがぬ客観的視点と芸事に関する哲学か。切れ味のある文章は単なる悪口や毒舌といったものでもなく、なかなか真似が出来るものではない気がする。芸能界やメディアにとって、彼女のような優れたウオッチャーを失ったことは大変に痛手だと思うが、現代は２ちゃんねるの実況板等がその役割を担っているのだろうか。