雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

卒業の朝

卒業の朝 [DVD]

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 マイケル・ホフマン監督。名門校を舞台にした、教師と生徒達の物語。派手さはないが真っ直ぐに、そしてリアルに、人間の生き様と心の触れ合いを描いた佳作。主人公ハンダート(ケヴィン・クライン)が、朝にボートを漕ぐシーンがとても美しい。数々の名台詞が出てくるが、それらが物語の伏線としての役割も果たしており、何度も見返したくなる作品であった。


 自分が何をしたかではなく、何に貢献出来たかによって、人は後世に評価されるだろう。しかし、無名の者だからといって価値が無いわけでは決してなく、人の価値というのは自らの信念や哲学に沿って日々を生きてきたか、というところで決まる。「長い人生は最初が肝心」なのかもしれないし、「教育によって人は変わる」かもしれないし、「人間の性格は初めから規定されており変わることはない」のかもしれない。それでも、もっと大切なのは、一度や二度の失敗で挫けたりせず、信念を貫いて自らの人生を全うさせることなのだろう。・・・と、長くなったが、この映画はそれくらいに重厚なメッセージを投げかけていると思う。