「どくとるマンボウ」シリーズをはじめ、ユーモアに富んだ彼のエッセイが好きだった。北杜夫の「どくとるマンボウ青春期」は私の進路決定(高校〜浪人〜大学)を後押ししてくれた一冊と言える。旧制松本高等学校の思誠寮での暮らしぶりに、当時の私はすっかり憧れてしまったのだ。
「型破り」な人生は、端から見ていると面白いものだろうが、当人にとっては色々と苦しんでいるものだ。長年躁鬱病と付き合ってきた著者のエッセイからは、自らを突き放したような客観的視点と、他人へのサービス心から出てきた愉快さが両立しており、その文体が私は好きだった。
- 作者: 北杜夫
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