雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記

ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記

ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記

 

 塩野七生著。このサイトを参考に、第1巻を読まずに本書より読んでみたところ、確かに何の支障もなく、かつ非常に面白かった*1ハンニバルの圧倒的強さと奇抜(かつ理に敵った)戦略は惚れ惚れするほどであり、一時はローマが滅亡するかと思うほど。何よりすごいと思ったのは、敵陣まっただ中である南イタリアで、カルタゴからの支援もろくに受けず、まさに孤立無援で闘い続けたそのタフさ。


 しかし一方でこの本で描かれているのは、猛将ハンニバルにも耐えきったローマの底力でもある。同盟諸国とのネットワークや、揺るぎない国家システム、敗者にも寛容な政治思想、そして有能な人材が次々に出てくるこのローマという強さがしっかりと説明されていた。

天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。


 さて、第1巻に戻ってみるべきか、それともカエサル上下に進むべきか・・・。

*1:しかし断定と推定の多い歴史物語でもある。時折、「見たんかい!」とか突っ込みつつ読み進めた。