森さんが亡くなった。非常に残念だ。氏の飄々とした風貌、温かい言葉づかい、それらを支える深い教養と、全てを敬愛してきたので、とても哀しい。著書の中で、間違ってもいい、エエカゲンで構わない、他人の評価など気にするな、と述べてきた氏の言葉は、それまで狭い枠の中で閉じこもっていた私の壁を壊し、世界を押し広げてくれた。大学時代に、得体のしれない先への不安で潰れてしまいそうなとき、森先生の本を読んで救われたことを思い出す。進路を考えるときも、かなり大きな範囲で、森先生の影響を受けた気がする。直接に授業を受けたわけではないが、私にとっては恩師なのである。
人間の物差しはひとつではないこと、異端であることを認めること、実用性を度外視して生きる者を受け入れる社会の在り方、そうした教えを今後も大切にしていきたい。ありがとう、森先生。
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