雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ラースと、その彼女

 「ラースと、その彼女」を観て、大いに笑い、激しく泣いた。リアルドールに恋してしまった男の話、というと滑稽にしか聞こえないが、実に丁寧に作られた良い映画。男性特有の内気さや幼さが描かれていて、まるで自分のことのようにどっぷり共感してしまった。基本的には善人しか出てこないこの映画は、周囲の人々が本当に温かくて、その愛情に包まれていくうちに主人公は大人になっていく。宗教に裏打ちされた愛の力というものは素晴らしい。


 最初は突飛に思えたリアルドールとの恋愛という設定も、鑑賞後には、この設定だからこそラースのような男を描ききることが出来たのだ、という思いに変わる。戦争も暴力も犯罪も旅も努力も勝利も無いけれど、それでもこの作品は「男の映画」だと言える。