「パコと魔法の絵本」を観て来た。冒頭は、客をおいてけぼりにするテンションの高さやギャグのすべり具合*1、無駄にコテコテしたCGの多用など、かなり不安を感じたものだが、気付いたら作品の世界に取り込まれていた。全ては「絵本」のための伏線だったのか。
さて、それではどうして取り込まれたのか。この映画の鍵は、全ては2人の役者にかかっていた。役所広司(大槻)とアヤカ・ウィルソン(パコ)である。やはり役所さんは素晴らしい喜劇俳優だ。あの真面目そうな顔であの衣装を着てしまうキャラ壊しっぷり、笑わせるところは笑わせて、泣かせるところはきっちり泣かす。アクションの動きにもキレがあるし、朗読シーンのあの台詞回しは何度聞いても飽きさせない力があった。パコ役の子は、まあ天性の才能としか言えないかな。素晴らしい。確かに、このくらい可愛い子でなくては、この映画の主人公は演じられない。
しかし、それにしても冒頭部分はもう少しなんとかならなかったのだろうか。「下妻物語」の中島哲也監督にしては・・・、と思うと残念な気はする。