雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

おくりびと

 「おくりびと」を観てきた。本木雅弘さんと山崎努さんの演技が素晴らしい。細部にこだわり、流れるような手つきが良い緊張感を伴った様式美を生み出している。笑いと涙を交互に配置する脚本も上手いし、台詞もBGMも無い静寂性*1がこの映画に深みのある雰囲気をもたらしていた。


 誰に対しても、死はいつか必ず訪れる。死んでしまった後に問題となるのは、残された人たちがその死をどう受け止めるか、ということだ。それを乗り越えるには何よりも時間が必要だが、一定の儀式が果たす役割も大きいのかもしれない。肯定的に捉えられるように尊厳を表すこと、そして何かしらの物語(意味の付与)を持つこと、そういうことが大切なのだろう。

*1:例えば、「背中で語る」というようなシーン。