雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ショッピングの女王

ショッピングの女王 (文春文庫)

ショッピングの女王 (文春文庫)


 見事なまでの暴走っぷり。お金がまるでゴミのようだ。著者は終始一貫して自分のダメさ加減を客観的に受け入れており、だからこそ欲望に対する正直さや、その視点の特異さに対して敬意を持てるのだろう。本書中盤からは開き直って自身を突き放しており、その己の性を惜しみなく暴露する潔さに笑ってしまった。


 美しく見せたい、という執着心が買い物依存症の核になっているのだろうか。にも関わらず、自らを「サモ・ハン・キンポー似」と書いてしまう芸人魂が偉い。

ブランド物ってのは、「ハイソで洗練されててゴージャスなマダーム」的世界のシンボルとして、「あたしもハイソになりたーい」という庶民の下世話な欲望を食い物にして、ここまでノシ上がって来たヤツらではないか。全世界の身の程知らずに支えられてるようなもんだろ。

 名言だ。これを中村うさぎが言うところに意味がある。