- 作者: 中村うさぎ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/09
- メディア: 文庫
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見事なまでの暴走っぷり。お金がまるでゴミのようだ。著者は終始一貫して自分のダメさ加減を客観的に受け入れており、だからこそ欲望に対する正直さや、その視点の特異さに対して敬意を持てるのだろう。本書中盤からは開き直って自身を突き放しており、その己の性を惜しみなく暴露する潔さに笑ってしまった。
美しく見せたい、という執着心が買い物依存症の核になっているのだろうか。にも関わらず、自らを「サモ・ハン・キンポー似」と書いてしまう芸人魂が偉い。
ブランド物ってのは、「ハイソで洗練されててゴージャスなマダーム」的世界のシンボルとして、「あたしもハイソになりたーい」という庶民の下世話な欲望を食い物にして、ここまでノシ上がって来たヤツらではないか。全世界の身の程知らずに支えられてるようなもんだろ。
名言だ。これを中村うさぎが言うところに意味がある。