- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1993/10
- メディア: 新書
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・・・。孤独、自己と他者、言葉と現実と物語、変化と混沌。・・・んー、何を書いて良いのやら(何を言っても間違っているような気がしてしまう)。どこか遠くの、それでいて自己の奥深くでもあるような場所へ「連れて行かれる」感じがして、読んでいて大変に気持ち良かった。
「闇を見る者を闇もまたひとしく見るからだ*1」「おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ*2」という言葉が、ふと思い出された。
言葉というものを大切に思うこと。書かれたものに自分を賭けてみること。書物というものの力を信じること。
僕はこれまで長いあいだ、何かに別れを告げようと苦闘してきた。この苦闘こそが何にもまして重要なのだ。物語は言葉の中にはない。苦闘の中にあるのだ。
*2:『善悪の彼岸』フリードリヒ・ニーチェ