雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

京都国立博物館「絵画の冒険者 暁斎Kyosai」展

 江戸末期から明治初期にかけての画家、河鍋暁斎(狂斎)の特別展を見てきた。開催期間は1ヶ月しかないし、しかも今日は日曜日ということで、国立博物館ではものすごい行列が待ち受けているのでは・・・、と若冲展を思い出しつつ*1開館前に到着。幸いなことに行列など存在せず、開館時に並んでいたのは50人くらいだった。館内もそれほどの混雑していなかったので、存分に楽しめたわけで。日曜の午前、至福の2時間半はあっという間の出来事だった。


 私は美術の世界に疎く、他の画家と比較することなど出来ないのだが、これほど美術展で感動したのは伊藤若冲展以来のことだ。河鍋暁斎は、実に絵が上手く、創造的で、そして何よりユーモアのセンスが抜群である。観にいく前は「暁斎は何やら変な絵ばかり描いていた人」だと思っていたのだが、それは浅はかな間違いであり、事実は「オールラウンドプレーヤーの天才画家だから奇妙な絵『も』描いていた」ということであった。以下、気に入った作品ベスト5。

  1. 新富座妖怪引幕(!!!呆然となり、その後で意味不明の涙が出てきた)』
  2. 風神雷神図(太鼓を拾い上げる雷神様・・・)』
  3. 地獄太夫と一休(いっきゅーう、いっきゅーう・・・)』
  4. 『五聖奏楽図(お釈迦様・・・)』
  5. 『惺々狂斎画帖(もちろん、化け猫)』

 他にも、『閻魔大王浄玻璃鏡図(驚く閻魔様の顔が・・・)』とか『鬼の碁打ち図(幟鍾様が実に格好良い)』、『枯木寒鴉図』など、とにかく見所満載。結局、私は目録を買ってしまった(2500円也)。河鍋暁斎すごい。・・・いや、日本画の世界の奥深さを私が知らないだけか?

*1:参照:http://d.hatena.ne.jp/irota/20070601#p1

*2:美味情報と展覧会等の記事が多く、かなり参考にさせてもらってます