雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

「わからない」という方法

「わからない」という方法 (集英社新書)

「わからない」という方法 (集英社新書)


 どうせ答なんてわからない、だからやってみよう、という本。壁にぶつかり、挫折して、それを受け入れて、やってみよう。分からないままに迷いながらやっていくうちに、分かることもあるし、そういう道程をたどっていかないと分かり得ないこともある。・・・とまとめてしまうと、何だか薄っぺらくなってしまうな。


 「へん」と「へんじゃない」を二項対立で記していた部分は、この本のテーマとはずれている気がするが、なるほどな、と感じた。世の中に革新/変化をもたらすのは異端(=へん)者の無謀な奇行であり、効率化および安定化を進めるのは多数(=へんじゃない)派の頑固なシステムなのだろう、優劣の話ではなく。まあ、「わからない」という「へん」側に属してみることを覚悟しなければ、やはりいつまでたっても「わかる」ようにはなれない、というのは、やはり当たり前の話ではある。著者の橋本治氏は、自身が手に入れた「まっとうな思考」にたどり着くまでの思考過程を書く傾向が強いようだ。何故もっとすっきりと書いてくれないかな、とイライラしつつも読んでしまうのがこの人の著作の不思議なところ。