雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ある番組の死:「世界遺産」

 毎週日曜日、夜23時30分からTBS系列で放映していた「世界遺産」はもう、どこにも無い。先ほど、4月からの後継番組らしい「THE世界遺産*1 モン・サン・ミシェル&イグアス国立公園編」を観てみたのだが、まるで違う番組になってしまっていた。というか、全然「後継」していない。放送時間の変更とか、視聴者層の拡大とか、教育番組化とか、そんな言葉では語りつくせない。私の好きだった番組「世界遺産」は、もう死んでしまったのだ。

 
 別にテレビ番組など、観たくなければ観なければ良いだけの話なのだが、過去の「世界遺産」があまりにも良質な作りだったので、哀悼と恨みと、そして番組の方針がいつか変わるかもしれないというかすかな期待を込めて、新番組「THE世界遺産」の問題点をあげておきたい。

  1. 番組名が安易。非常に恥ずかしい名称になってしまった。
  2. 目障りで安っぽいテロップが多く、番組の流れが分断されている。
  3. BGMが煩い。「世界遺産」では沈黙の利点(美学)を理解していた。
  4. オープニングが激しく劣化。名曲「The Song of Life(鳥山雄司)」が・・・。
  5. ナレーターの滑舌が悪く、聞き取りにくい(中村勘太郎氏が良かっただけに)。
  6. この番組なら、ナレーションは圧倒的な映像美を補完する役割で十分なのに、余計な解説が多く、しかも感情的日常的な言い回しが多用されており、番組の格調高い雰囲気を壊してしまっている。何のためにソニーが世界最高の映像クオリティを提供していると思っているんだか。
  7. 全体的に、押し付けがましい番組になってしまった。「世界遺産」は、視聴者の感受性を信頼した作りだったが、後継番組は教育番組としての立場(?)からか、視聴者を馬鹿にしているかのような極度の親切心が溢れ過ぎている。

 
 最後に。
 ・・・カピバラ可愛い。

*1:毎週日曜18時からの放送。今日は深夜番組の存在意義を痛感した次第。