雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ニッポン無責任時代

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 無責任シリーズ第一弾。さすがに「古いなあ」と感じてしまうところもあるが、庶民派喜劇として普遍的な魅力をもった映画だと思う。もちろん、映画としては植木等の芸達者ぶりに負うところが多く、彼以外では凡作になっていたことだろう。声もいいし、動きにもきれがある。そして何より笑顔が光っていた。作品の内容についても、単に高度経済成長時代初期の日本を描いた歴史作品としての価値(ワンマン社長、労働組合、接待文化)を持つだけでなく、「一貫した前向き思考と、C調(調子の良いこと)と度胸とで課題解決に挑む一社会人像」として描かれていることで、時代を超えた鑑賞に堪える映画になったのだ。もっとも、この作品を楽しめる観客は男性のみだと思うけれども*1


 故人は非常に真面目な人柄だったらしいが、その植木氏がこの平均(たいらひとし)役を完璧に演じられたことは、本人が亡くなった今になってみると妙に感慨深いものがある。

*1:日本社会がそういう時代だったということなのだろう、徹頭徹尾男性視点の映画である。