この手記は是非たくさんの人に読んでほしいと思った。
1977年12月、まだ「ある少女の行方不明事件」であった頃に、横田早紀江さんがめぐみさんに宛てて書いた手紙が掲載されている。ただひたすらに娘を心配し、気遣う母親の愛情が伝わってきて、胸が締め付けられた。ああ、この人は30年間も苦しみ、悲しみ続けて、それでも諦めずに頑張ってきたんだな、と思うともうなんというか・・・言葉にならない気持ちになる。
親が子を思う気持ち、これがあって、家族が成立する。そして家族を守るために、社会や国家が存在する。と考えるのは単純すぎるのかもしれないが、家族の平穏を守ること以上に大切なことなど、どれほどあるというのか。拉致事件を解決すること、子供をさらわれた親の悲しみに応えること、それこそが日本政府にとって最も大切なことであると考えたい。