雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ル・コルビュジェ


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 ツタヤには、ときどき意外な商品が置いていて驚かされる。建築の世界には無知なのだが、一流と呼ばれたプロの作品がどんなものか観てみたいと思い、借りてみた。難しい専門的な話はほとんどなく、結構分かり易かった。


 「家は、人が住むもので、人が住まない家は神殿である」という言葉が彼の哲学だったのだろう。「人間」を重視し、動き易さや静寂性などの暮らしやすさとある程度の経済的合理性を追求すること。ユニテ・ダビタシオン(マルセイユの集合住宅)を見て、そんなことが実感できた。


 ただ、ずぶの素人の率直で失礼な感想としては、彼の建築は威圧感と顕示欲が表に出すぎていると思った。あれだけ素晴らしい居住空間を創れるのだから、外観は逆に素朴で簡素な美しさ、周囲との調和を目指す方向性を取っても良かったのではないだろうか。サヴォア邸は「完璧な建築物」なのかもしれないと思うが、中期以降の巨大な建築物にはどうにも違和感を感じた。