日本の景観を守り創ることに人生を捧げるアメリカ人。「神社仏閣などの文化財や世界遺産などの名所だけではなく、普通の街や田舎の風景といった、本来の日本に当たり前の景観こそが美しいのであり、それこそ日本人が大事にしていこうという意識をもたなくてはいけない」といった主張に痛いほど共感した。観光地ではない、普通の集落が驚くほど美しかったりするのが日本の良さのひとつなんだよね。
しかし、「住んでいる人にとっては景観より生活の安全や便利さが大事なんだ」という意見の前では、負けてしまうのだろう。日本国民は、「土建王国」と言われる国をどう思うのか。文化や美、暮らしに対する価値観を考えてみると、なかなか「美しい日本」はこれから守られることは無さそうだ。一部の都会では、新しい日本の美が創られることも期待できるが、それは人々の暮らしや日常とは結びつかない美しさなのではないか。
