雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

政治家の失言について

 久間章生防衛相が原爆投下に関係する発言で辞任する事件があった。常識的なことも含めて、いくつか気付いた点があったので書きとめておこう。

  • 公的な職務に就く者は、大学における講演のような非公式な場における発言でもほぼ全てチェックされる。
  • 政治の世界においては、一般社会でよく言われる「結果を出せ」という観点は、あまり重要視されていないのかもしれない*1
  • 政治家による発言においてより重要視されるのは、その内容における論理性や分析力ではなく、その言葉を聞いて人がどう思うのか、である。
  • 自分や家族、友人などと違い、「有名人」は人格の認識が簡単であると考えられている。報道される言動でしか判断できない、つまり判断する材料が乏しいから、人格の特定もその限定された材料によって容易になされてしまう。だから、「有名人」は言動に細心の注意を払う必要がある。
  • 政治家が特異な見識や価値観を持っていたり誤った発言をした場合に「彼だって人間なんだから、そりゃ変なところもあるし、失言もあるでしょ」という見方がされることはほとんど無い。
  • 切腹文化はまだ生きているようだ*2。辞めることが問題を抑え、組織を守る効果を持っているようだ。一方で、責任を取るとか、問題を解決する、というテーマはあまり大事では無いように見える。
  • 失言が辞職につながる諸事件は数多あるが、さてその結果何が起きたのか。野党とマスコミが喜び、国民は政治に失望し、おびただしい「時間」と様々な「労働」と、より本質的にして緊急に解決すべき「問題」が失われた。

*1:追記:これは多分間違いだな。選挙で勝つことこそが求められる「結果」ということなのだ。

*2:ただし、本来はそれに必須のはずの「誇り」という文化はあまり感じられない。