雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

銃とアメリカ

 英会話の先生と、アメリカで起きた銃撃事件について話す。"the right to bear arms"という合衆国憲法の理念、フロンティアスピリッツから受け継がれてきた銃文化、そしてNRAの強大さについて教えてもらう。一方、クリントン政権において実現した銃規制が後退していること、誰もが銃を持っている世界において銃は自衛の手段とはならないことなどを話しあう。アメリカでも州によって銃についての考え方が全然違うようで、今後もそう簡単に結論は出ないのだろう。少なくとも大統領が変わるまではね。


 もっとも、銃が規制されている日本で銃の事件が起きている以上、単にアメリカを批判して済むわけがない。銃規制反対派の意見のひとつ、「市民から銃を取り上げると、悪党だけが銃を持つことになるんだぜ(→悪党からの自衛が出来ないじゃないか)」に反論するのは案外難しい。だって現実に悪党は簡単に銃を持ててしまうわけだから。


 銃が関係する事件は確かにショックが大きいのだけれど、考えるべきなのは犯罪全般に対する合理的な意見形成にあるのではないか。単独の大事件が世論展開のきっかけになるのは当然のことかもしれないが、その地点だけにとどまって結論を出すことは得策ではない。刑事学や犯罪学の専門家が活躍する場所を提供するメディアが必要なのだ。そしてこうした事件が起きるたびに思うのだが、「治安行政がしっかりしていれば大丈夫」と言う人は無責任だし、「銃を撃つ人の心の問題を解決することが大切だ」と言う人はわざとピントをずらしているようで不誠実だ。