雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

 先週末に、入院中の父親を見舞いに行った。病院のベッドに寝ている父親は心身共に弱っていて、なんとも不憫で仕方なかった。口の周りに生えている白い髭と、不健康な具合に痩せた足を見ていると、何を言おうとしても涙がこぼれてしまいそうで、ほとんど何もしゃべれずに、腕組みをして病室のテレビを一緒に見ていた。症状はそれほど深刻ではなく、おそらく今週中には退院するくらいなので、何も泣くことは無いはずなのだが、どうも病院というのは精神的に良くない。自分の家で食べて寝て家族と話したり、外に出かけて街を歩き、会社に行って仕事をしたりできる日常がどれだけ素晴らしいことか。

 甲斐甲斐しく世話をする母親も、さすがに憔悴していた。ほとんど一日中付き添う彼女を見ていて、そうか、自分の両親は一組の夫婦でもあるんだなと改めて強く感じた。家族とはいえ、男女の仲は所詮第三者には分からないもので、この二人はこうして年月を重ねてきたのだな、と思い、また泣けた。父親ももう少し感謝の意を示すようにしたらいいのに、などと思わなくもないのだが、それは余計なお世話なのかもしてないし、私には分からない。
 
 母親はとても疲れた様子で、体力と金銭面の不安を口にしていた。私には、父親の症状を治す技術もなければ、家族を手伝う時間も持っておらず、家族を背負える資産も無い。無力な私は、母親の愚痴を聞く相手になるくらいの役しか出来ないのだった。


 病院を後にして帰路につく。私は、自分の進むべき道を、ただ真面目に考え続けていた。