イレイザーヘッド

映画の途中は何度も止めようと思ったけれど、観終わってみれば衝撃的作品としか言い様が無いなあ。非常に不快な映像が多く、嫌悪感でうんざりした。皿の上で動く鳥の脚、醜い胎児（あれを未熟児とは言わないだろ）、騒音、泣き声。「最悪だ、この映画」と何度つぶやいたことか。しかし何にも増して気味が悪かったのは、幻想の中でおどる女性。目のぱっちりしている女性が口元に微笑みを浮かべ、きれいなワンピースのドレスを着て可愛らしい仕草で踊るということは、あんなにも不気味なものだったのか。あんなに不愉快な笑顔は初めて見た。

イレイザーヘッド、消しゴムの頭、ねえ・・・。いや、その場面は面白かったけどさ。赤子に斑点が浮かんだシーンで冷静に"Oh, you are sick!"と言っているのも笑ったし、最後のシーンも秀逸だったなあ。我が子を殺し、全てが無となっていく、"In Heaven, everything is fine"か。

まあ、そんじょそこらのホラー映画じゃ太刀打ちできないのは確か。なんとなく『ピンク・フラミンゴ』、『ソドムの市』を観たときのことを思い出した。