雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

色気も出せずに散る椛

 先日、紅葉を楽しもうと京都の鷹峰に行ってきた。春と秋に京都を観光するなら平日(それも朝早くが理想)に行かないと人の群れで景色は損なわれるし疲れるしで良いことがないね。朝一番に目的地へ着き、昼前には家に帰る。んで、午後をゆったりと過ごして夜のディナーに出かけて豪快に飲む、これ最強と。実践したことはまだ無いが。


 今回の目的は光悦寺と源光庵。鷹峰ならそれほど観光客も混まないし、山並みも美しい。と思ったのだが、誤算だったのは源光庵が休館していたこと。修復工事のために、今年の10月から2年間ほど拝観できないとのこと。そんなもん秋から始めなくてもよかろうに、なぜ観光シーズンの終わる12月からではないんだろう。と愚痴を言っても仕方が無いので光悦寺に。

 
 入り口までの参道が一番印象的だった。美しい。詩仙堂の参道を思い出した。庭も広く、なんとも見事な眺めであった。ただ気になったのは、今年の紅葉はあまりきれいじゃないな、ということ。葉が赤く染まる前に散ってしまうものが多いし、色づきも鮮やかではなかった。緑から、橙や赤を越して紫に変わってしまっているようだ。残念。


 また別の日に、青蓮院門跡の夜間拝観へ行ってきた。ここは観光客のことをよく考えているところですね。施設全体の魅力を引き出していると思う。建物の造りや調度品、中庭、美術品展示、広大な庭、池、竹林。ライトアップも幻想的かつメリハリの利いた構成だった。素晴らしい。ただ、ここもどうやら紅葉がいまいち(時期が早かっただけかもしれないが)のようで残念。


 わざわざ紅葉など見に行かなくても、自宅の庭だけで季節の移ろいを楽しめる生活。美しい暮らしがここにはあったんだなあ、とぼんやり思いながら、自分を見つめる秋の夕暮れ。