雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

年末年始の帰省

帰省終わり。とにかく飲み食いし過ぎて、胃が悲鳴を上げている。長男は楽しかったようだが、こちらは疲れた。まあ、親戚一同と会えたのは良かったのだが。実の親よりも義理の両親の方が話していて疲れない(イライラしない)のは何故だろう。

 

正月は寒いし、テレビを観て時間が過ぎてしまう。年末の紅白歌合戦は、藤井風が見れたので満足。ドラマ「岸辺露伴は動かない」も面白かった(特に良かったのは「背中の正面」。まさか実際に背負って撮影するとは・・・)。

 

それにしても今日のUターンラッシュを甘く見ていたのは失敗だった。コロナ禍で、勘が鈍っているのかもしれない。次回からは渋滞に巻き込まれないよう、朝早くに出発しようと反省。

2021年の省察と、2022年の指針

2021年が終わった。今、生きてこうして記事が書けている私は、とても運が良い。世界中に新型コロナウイルスが蔓延する状況下、罹患して死んでいた可能性は十分にあった。少なくとも、この一年間で親しい人の訃報がなかったことは、僥倖と言ってよい。生きているということ、それはそれ自体が奇跡的なことなのだ。

 

さりとて、なかなか大変な一年間だった。コロナ禍は何度も波が押し寄せてくる。人々は「山」のときには息を潜めて引きこもり、わずかな「谷」の時期にだけ動くことを許される。いつから、世界はこんなに動きにくいものになってしまったのだろう。生活も、交友関係も、仕事も、娯楽も、コロナ様の機嫌を伺ってばかりだったな。

 

大変なことばかり思い出しつつ、一方で、非常時だからこそ日常について少し突き放した視点で眺めることができたのは良かったかもしれない。「普通」や「当然」が崩壊して目の前に現れた、当たり前など何も存在しない、全てが「偶然」と「奇跡」によって紡がれた世界の在り様は、とても神々しいものだった。様々な苦楽を含めて、自分が家族とささやかな思い出を積み重ねてきたこの一年間を、肯定的に受け止めたいと今は思う。

 

コロナ以外で振り返ると、スプラトゥーン2にハマり、徒然草を読み、時折サウナで心身を解放し、子どもと囲碁で対決し、何度か「小旅行」に出かけて、あとは日々、大谷選手の活躍を楽しみにしていた一年間だろうか。

 

ただ、残念ながら年は確実に取っている。腰痛に苦しむのは毎年のことだが、老眼や息切れなど、確実に老化は進んでいると感じる。身体だけでなく、頭も心も弱くなっているし。好奇心や興味を抱く力が低下していることを実感する。ワクワクする気持ちを失い、様々な事物に対してどうでも良いと投げやりになってしまう(自分が無気力なのは昔からだが、それが悪化している)。自分が、若者のように放っておいても成長する年齢はとっくに過ぎており、心身ともにメンテナンスしないと弱体化する一方であるという事実を受け止めて対応しなくてはならない。

 

続いて昨年読んだ本から上位5点。徒然草関係(「すらすら読める徒然草」、「徒然草を読む」)、センゴクシリーズ(「センゴク」、「センゴク天正記」、「センゴク一統記」、「センゴク権兵衛」)、「カササギ殺人事件」、「ゴールデンカムイ」、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」。去年はとにかく徒然草に感銘を受けた一年だった*1。無常(死)がすぐ近くまで迫っていることを意識して、束の間の今を生きるということ。兼好の時代から700年経とうが、人間の本質は何も変わらない。

 

次に鑑賞した映画(テレビドラマ含む)から上位3点。「青天を衝け」、「サ道2021」、「岸辺露伴は動かない(1~6)」。去年の大河ドラマは、最初から最後まで完璧だった。「サ道」も、また不定期で良いので続編を作ってほしい。

 

次に去年購入して良かったもの上位3点。「電気ケトル」、「自動車」、「ソファ」。振り返ると、かなり散財した一年であった。ちなみに去年の投資行動は「凪」。なぜ世界の株価が上がるのか理解できず、バブルはいつかはじけるとだけ信じて、手を出さなかったのだ(相変わらず、センスがない)。

 

さて、今年はどんな一年になるだろう。そもそも、無事に生きて新年を迎えられるだろうか。いつ死んでも仕方ない、と覚悟を決めつつ、それでも絶望せずに毎日を楽しんでいきたい。老化する自分を受け入れた上で、心身を鍛える。そういう習慣を作っていきたい。

 

今年こそ、飛行機で旅行に出かけたい。FIREはまだ無理か。あとは何だろう。腰痛対策、睡眠負債を貯めないこと、歯磨きを丁寧に、そしてスプラトゥーン3の発売が楽しみだ。

 

*1:といっても、恥ずかしいことに原文を通して読んではいないのだが

青天を衝け

ついに最終回。寂しいけれど、どんな物語もいつかは終わる。第1回から通して視聴して、どの回も素晴らしく、見応えがあるドラマだった。この大河ドラマを妻と一緒に最後まで見続けたのは、後ほど振り返って良い思い出になる気がする。以下、感謝の気持ちを込めて良かった点を列挙する。

 

  • 主人公渋沢栄一という人物を良く知らなかったから興味が持てた
  • 江戸時代末期から明治時代という激動の時代であり、ドラマの展開が面白かった
  • 社会全体の話と栄一個人の周囲の話がバランスよく混ざっていた
  • 吉沢亮さんがまっすぐでエネルギッシュな栄一を上手に演じきっていた。活舌が良いので長台詞も聞いていて心地よかった。
  • 家族役が皆良かった。父と母の愛情も胸を打ったが、何より千代(橋本愛)は最高だった(微笑みながら「へえ」と言うのが素敵だった)。
  • 主人公以外も、良い俳優ばかりだった。ドラマ前半の殊勲賞は、なんといっても平岡円四郎(堤真一)に尽きる。表情、台詞まわし、何から何まで最高の芝居だった。
  • 明治維新以降も、激動の時代ならではの群像劇が見られて面白かった。次から次に癖のある登場人物が現れて退屈しなかった。特に印象的だったのは大隈重信(明治政府で働くよう口説くシーン)、岩倉具視(絶命シーン)、三野村利左衛門(衝突しながらも懐に入ってしまう人柄)、岩崎弥太郎(絶命シーン)。きっと、明治時代はこういう個性の強い人達が作り上げたのだろう。

もうあかんわ日記

 

 

 

岸田奈美著。「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」に続いて読む。著者が自らの悲惨な状況を喜劇として書けるのは、自分を客観視できているからであり、同時に笑いの効能を信じているから。人間の強さにも色々あるもので、何が来ようが弾き返す強さもあるだろうが、困難に打たれても折れることなくしなれるだけしなったり、懐深く受け止めて吸収してしまう強さもあるのだと思う(おそらく、そこには愛が必要なのだろうが)。

 

最近は色々と無理がたたって体調不良のようで心配だが、読者としては、著者が書く本を読むのは楽しみであり、元気の素でもある。とりあえずは、次作「傘のさし方がわからない」を読むのを楽しみにして。

ヒカルの碁(1)~(23)

 

 

ほったゆみ原作、小畑健画。この本がきっかけで長男は囲碁を覚えてくれた。性にあっていたようで、今では詰碁本などを手に取って研究している。私の亡くなった祖父の碁盤を遺品として譲り受け、ふたりで対局している。私の父も囲碁が好きなので、ちょうどよかった(孫と対戦できるなんて、人から羨まれる話だと思うのだが)。

 

漫画としての作品自体は、急に終わってしまった感があって、なんとも。藤原佐為が消えてヒカルが独り立したとき(ショックから立ち上がってアキラと対戦したとき)に終わっていた方が、物語血としてはまとまりがあったと思う。ただ、最終話の「俺たちは、遠い過去と遠い未来をつなぐために存在している」というメッセージは、大変良かった。

センゴク権兵衛(16)-(25)

 

 

宮下英樹著。仙石権兵衛を描いた「センゴク」シリーズをこれまで通して読み直してきたが、全てはこの18巻および19巻のために描かれてきたのだろう。と、思えてしまうほどに、最高の盛り上がりを見せ、劇的なクライマックスに突入する。ゴンベエのこれまでの活躍、仲間とのつながり、失敗からの這い上がり、これらは全てこの小田原戦役の早川の虎口攻めに集約し、ゴンベエの生き様を見せてくれる。そう、本当に大事なのは結果がどうかではなく、生き様を示すことなのだ。

 

堀秀政が病に倒れて窮地に陥るが、可児才蔵や津田妙算が仲間に加わり、皆で死線をくぐってかろうじて生き抜く。仙石権兵衛の戦は、基本的にいつも辛勝だ。というより、「どうしてこれまで死ななかったのか」という戦を繰り返してきた男なので、今回の早川虎口攻めにも驚きはない。ただ、これまでの道のりを思い返し、カタルシスを感じてしまうのだろう。

 

そして秀吉と面談し、「ワシは許してないぞ」と怒られながら金の扇子を頂戴し、小諸の大名に復帰する。ここが「センゴク」シリーズの終着点であり、(連載中の著者には申し訳ないが)後はエピローグなのだろう。ここまでコミックスにして計70巻、同じく戦国時代を描いた傑作「へうげもの」とはまた異なる傑作だった。

 

センゴク」の舞台は安土桃山時代織田信長豊臣秀吉によって、武力による統治から銭の力による統治に替わっていく。仙石権兵衛のような猪武者にとっては、次第に活躍の場が失われていく時代環境だ。それにもかかわらず、ゴンベエは自分を貫いて戦国の世を生き抜いていく。だからこそ、読んでいて面白いのだ。

 

 

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