鴻上 尚史著。聞くこと、話すこと、交渉することの目的、態度、方法をかみ砕いて説明する本だが、単なるHow to本ではない。むしろ、コミュニケイションがうまくいかない理由(背景)を教えてくれる本だ。著者の「「空気」と「世間」」を読んでからの方がより分かりやすくなると思う。
- 人は分かり合えないからコミュニケイションをする(それが前提)。
- コミュニケイションで大事なことは、感情と情報を一緒に伝えることだ。感情だけぶつけても理解しあえないし、情報だけ伝えても共感はできない。
- まずは聞く。人に怒られるのが怖くても聞いてみる。人の話を聞くときは、まずは受け止める(否定しない)。
- 世間への話し方と社会への話し方は違う。自分にしか分かっていない前提を省略説に説明することが必要。
- 交渉するときは、感情をぶつけない。自分の思いを伝えきったうえで、分かり合えないときは交渉を打ち切ればよい。分かり合えないこともある、というのがコミュニケイションの前提なのだから。