雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

神々の山嶺(上・中・下)

 

 

 

 

 谷口ジロー著、夢枕獏原作。すごい、の一言。登山という行為の激烈さと孤独感、それにもかかわらず登山家が夢中になるその魅力が余すところなく描かれている。とにかく、すごい。

 

 元々は、漫画家谷口ジロー氏が亡くなったことを受けて、その弔意表明として読み始めた本書であるが、作品の想像以上の迫力に圧倒されてしまった。「孤独のグルメ」も好きな作品ではあるが、インパクトの大きさでは比較にならない。原作は読んでいないが、漫画というメディアでなければこの迫力は伝わってこない気がした。グランドジョラス失敗からの生還、そしてエベレストという世界一の山との格闘と、印象に残る場面は大変多く、また名言も多い作品である。羽生と深町というふたりの男が、それぞれの人生を生き抜く、熱い物語だった。