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雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

空飛ぶタイヤ

 

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

 
空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

 

 

 池井戸 潤著。三菱自動車リコール隠し事件をベースにした小説。「フィクションです」と巻末に書いてあるが、どこをどう読んでも三菱自動車の話。グループ企業の重工と商事と銀行と自動車が登場して、リコール隠しに躍起となったが結局ばれて消費者から見放され、外資企業(ダイムラー・クライスラー)の傘下に入る、という筋書きは現実そのまま。たしか「銀翼のイカロス」はJAL再生をテーマにしていたな。

 

 著者の本は、こまかい言葉の使い方や台詞など、どうも私には違和感を覚えてしまうことが多いのだが、展開はやはり面白い。ページをめくる手が止まらなかった。

 

 最後まで読み切り、よかったよかったと思って本を閉じてみたものの、現実の三菱自動車は更に斜め上をいく展開で、なんてことはない、リコール隠しで大騒動となっていた2000年~2003年当時からこの10年間、ずっと燃費データの改ざんに取り組み続けていたのだから凄過ぎる。

 

 企業文化は人の文化。変わらない人はどんな苦境に陥っても変わらないのと同じく、三菱自動車(の中の人)は変化することができなかったのだ。

 

 客より上司、体面より昇任という内向き志向のサラリーマン文化は、日本独特のものなのだろうか。企業の論理は本当にくだらないなと実感しつつ、この下らない現実に私もどっぷり浸かっているのだと思い、明日も仕事にいくのが嫌になる。