ベンジャミン・フランクリン著。アメリカ合衆国建国の父による自伝、哲学書、処世術であり、また日常的な、些末な話について書かれているところもあるので、1700年代の西欧における風習や考え方を知る書物としても面白い(当時は、朝から晩まで酒を飲む習慣があった等)。
13の徳目*1が有名だが、フランクリンの偉大なところは、人間の弱さを知っていることであり、項目を掲げるだけでは不十分、それらを日々の習慣として根付かせることが大切だとする点だろう。
マックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムと資本主義」でも描かれているとおり、倹約と節制、無駄を減らすことが富への道だと述べるフランクリンは、基本的に正しい。
一度面倒を見てくれた人は進んでまた面倒を見てくれる。こっちが恩を施した相手はそうはいかない
*1:節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲。順番にも意味がある。