雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

これが政治主導か。

  1. http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c7%a7%b2%c4&k=201211/2012110200429
  2. http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c7%a7%b2%c4&k=201211/2012110400152
  3. http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c7%a7%b2%c4&k=201211/2012110600426
  4. http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c7%a7%b2%c4&k=201211/2012110700414
  5. http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c7%a7%b2%c4&k=201211/2012110700436
  6. http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c7%a7%b2%c4&k=201211/2012110700735
  7. http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c7%a7%b2%c4&k=201211/2012110701137


 大学新設認可をめぐる一連の田中真紀子文科大臣の騒動は、鳩山首相の当時の米軍基地移転騒動を思い出させる。見通しを持たぬまま強い政治的思想が先行し、現実的な対応や手続きを軽視した結果、状況は何も進展せずに却って課題解決を困難にした上、結局は政治不信を招いてしまったという点で、とても似ていると思う。


 確かに役所への許認可申請は手続きが細かくて形式主義的で面倒だ。しかし、その手続きに則り、事前に示された基準を満たせば、その申請は通る。結果的には、その一連の手続きが役所の裁量を制限し、国民の自由を保障することになる。そういう意味で自由主義的であり、法治主義のメリットだと言える。


 例えば、制限速度50キロと表示されている道路で車を運転していた場合の話。50キロで走行していた運転手が警官に呼び止められて車を停めた後に、その警官が制限速度表示を40キロに上書きして「スピード違反です」と言ったら誰だって困るだろう。制限速度表示は、「50キロを超える速度は禁止」という意味を示していたと同時に、「50キロを超えなければ良い」という意味で運転者の自由を担保する効力を持っていたのだから。


 今回の問題に関して、「認可される前から施設を作ってスタッフを雇用するのはおかしい」とか、「大学が乱立状態で、質が低下していることへの問題提起をしたかった」とか、「審議会の議論が表面的であり、委員の人選もおかしい」等の大臣個人の見識は、残念ながら不認可という行政処分の根拠にはならない。せめて、周囲からこじつけと言われようと「この大学はこの基準を満たしていないと判断した」と発言すべきだった。


 一方で、鳩山総理のときは、「思想的には正しい」とか「沖縄への思いなど共感はする」等の賛同が一定みられた。今回も、田中大臣の判断に対して、「大学乱立を防ぐ政治判断」とか「方向性は間違っていない」との賛成意見もあるようだ。この期に及んで田中大臣自身が「役所の壁は堅くて高い」と発言していることから、政治主導を是とする立場から自身の行動を弁護しているのだろう。しかし、政治主導とは、人情とか思想によって社会を動かしていくことなのだろうか。本気で哲人政治を目指すのであればともかく・・・。