雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか

いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか (講談社現代新書)

いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか (講談社現代新書)

 内藤朝雄著。ものすごい説得力のある仮説である。閉じた集団による同調圧力は、一種の治外法権を生み出してしまう。「人が集団の中で生活する以上、ルールを守らなければならない」からこそ、集団独自のルールに基づくいじめが生まれるという逆説的仮説であるが、これはきっと正しい。したがってその解決策も、閉鎖的な小集団を公に開いてルールを一本化することで方向性としては良いだろう。学校の閉鎖性が子供を守るためであるとしても、行き過ぎた閉鎖性は社会かがらの逸脱を生む。