雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

私という病

私という病

私という病

 中村うさぎ著。「だって、欲しいんだもん!」から読み始めたうさぎだが、ここまで深化していたことに驚いた。「実体験主義」は昔から変わらないが、あちらにこちらにと突き進みながらもきっちりと自分と向き合い続けて、等身大の自分を把握してきたのだろう。


 誰もがひとりの人間であり、そして人間である自分には主体性があると信じたい。しかし、主体的に振る舞うことが許されなかった昔の記憶は彼女の中にルサンチマンを産み、中村うさぎはそれに突き動かされ、克服しようとあがいてきた。仮に、自分の内に抑圧すべき人格がいるとして、しかし抑圧し続けたところで消えることのないその人格は、いつか必ず自分に復讐するのだろう。