雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]

容疑者Xの献身 スタンダード・エディション [DVD]

 堤真一という役者の凄みを知った作品。上質なミステリーは、謎解きのシーンに強烈で心地よいカタルシスを感じるものだ。この物語は悲劇だが、そこに確かに愛は存在していた。もしくは、愛があった故に、悲劇が生まれたというべきかもしれない。最後の場面には、美しい悲しみで胸が締め付けられた。「真実は、必ずしも幸福をもたらさない」という命題は、物語の永遠のテーマなのだろう。


 ちょっと残念だったのは、湯川学(福山雅治)が、事件の真相を暴くことの残酷さに対して、もう少し苦悩するシーンがあっても良かったのではないか、という点と、内海薫(柴咲コウ)の存在が、作品の基調を俗っぽいものにしてしまっていることか。