雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

心を揺さぶられる

 年をとり、感受性はきっと鈍くなっているだろうが、自分の感情をコントロールする能力はなかなかついてくれないもので。今日もみっともないほどに動揺してしまった。どれだけ揺さぶられても根はじっくりと動かない、そんな大人になりたったのだが。世の中が大きく動いているという報せを聞くと、自分がいよいよ狭い井戸の中にいるんだなと思い知らされてしまう。かといって、人は人、自分は自分と割り切れるほど強くもなく。欧州の天地は複雑怪奇。


 自分の領域で精一杯生きている、という実感があるとき、そして自分のこれまでの人生が織り成すあれこれを抱えて一歩ずつ踏み出しているとき、人はようやく他人に優しくなれるのかもしれない。ねたみや恨みといった悪しき平等主義、極度の悲観主義や偏屈な教条主義、そして孤独・・・そうした弱さに飲まれている間は、人に優しくなることなど望めないだろう。ということで、優しくなりたければ強くならなければならないのだが、しかしそのためには自分の内面的な努力に加えて、他者との関係構築も必要であり、その意味では運というか縁に恵まれているかどうかで変わってくるのかもしれない。


 心が大きく揺さぶられたとき、自分の根っこに何があるのかが透けて見える。世の中なるようになる、ということはつまり、人間は案外強い生き物だと解釈しても良いのだろうか。とは言え今日は、少しだけ優しい人になれた気がした、不思議なほど現実感の無い、そんな一日だった。