雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

NHKスペシャル「沸騰都市第7回 シンガポール 世界の頭脳を呼び寄せろ」

 資源の無い小国という条件下で、国家が生存していくためには何が必要なのか。そんな日本と同じ条件のシンガポールが選んだ答えは、「経済成長」だった。「経済成長こそが最優先課題である」と設定したら、あとはそのテーマに合致するかどうかを判断して、優先順位をつけるだけだ。それを大胆、いや冷酷と言えるほどに徹底して実行出来ているところがこの国の凄いところであり、恐ろしいところだ。


 さて、そのシンガポールが経済成長のために最も重視しているのは、人材であった。有能な人材こそが産業と雇用を生み出す。だから、その優秀な研究者に来てもらうための給与等待遇や研究環境を整備して、世界中からスカウトをする。そのためなら、国家は専用の「街」も造ればその費用も無尽蔵に出してくれる。そして、エリートが集まった後はひたすら競争させて成果を出させる。ただし、成果の出ない者は国家に不要と見切りをつけて国から追い出す。


 産業を下支えする一般の労働者に対しても、その対応は徹底している。例えばデモは禁止されているし、外国人労働者は、政府の認める人材派遣会社に所属しなければ働くことは出来ない。首相が「外国人は経済の調整弁である。だからこそ彼らの入国を許可しているのだ。景気のいいときは彼らが必要だが、不景気のときは解雇されることもある。国民の利益が第一優先である以上、当然のことだ」と公に言えるのは日本では考えられないことだ。


 与党が84議席中82議席を占めており、政策実施に時間をかける必要も無ければ妥協もしない。国家がひとつの方向を向けて邁進しているシンガポール。ジム・ロジャースもやたらと絶賛していたなあ。さてNHKスペシャル沸騰都市シリーズも次回が最終回。場所は、東京。