- 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
- 発売日: 2006/06/23
- メディア: DVD
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なんて斬新な。設定といい、脚本といい、ビジュアルといい、実に面白い。ただ、映画館で観たら、訳が分からぬままに終わっていたかも。本編を観終わった後で、DVDの特典映像である「逆再生(=時間軸どおりの)メメント」を観て、それでもやっぱり面白かったことに衝撃を受けた*1。久々に面白いサスペンスに出会えて満足。ストーリーとしては、結局のところ悲劇でしか無いのだが。
(追記:4月12日)
どうもこの映画の「記憶が短期間で消える」という設定が頭から離れないので、ぼんやりと考えてみた。この症状のために、主人公は
- 人間関係が築けない(人間の関係には「過去の蓄積」が必要ということか)
- 人生に一貫性がなく、自身のアイデンティティを持てない(過去と整合性のある未来を手に入れるための現在の行動が取れない)
という苦労をしている。たしかに、これは病気(異常)だろう。しかし、だ。自身に置き換えて考えてみたときに、果たして私はそれほど他者と関係を積み重ねているだろうか、そして衝動を抑えて合目的的に生きてきただろうか、と省みざるを得ない。すると、反射的な、発作的な、矛盾だらけの過去の人生が見えてくる。非理性的な、つまりは衝動的な、矛盾に満ちた人生は、ある意味で私の本質なのだろう。
*1:逆再生で観ると、主人公の行動の間抜けさに噴出してしまうのだが。