雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

パフォーマンス・マネジメント

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学


 自分の/組織の意志を達成するために、その行動(意思決定)について、精神論(根性論)ではなく、「先行条件」と「結果(動機付け)」から考えてみる本。「個人攻撃の罠」に嵌りがちな精神論に対抗するための視点を、基礎から学ぶことができたのは有益であった。大学の教養講座のテキストのような簡素な作りがなんだか楽しい。


 人の行動をまるでプログラムのように考えて分析し、思いっきり単純化すると、本書のようになるのかもしれない。価値観に基礎付けられた目標を明確に、期限をつけて設定すること、何が好子で何が嫌子なのかを知ること、好子が無ければ強化の原理*1は働かないので、新たに自分で考え出すこと、行動を分析するために記録をとること(さらに、記録自体が好子となって動機付けされる)、時には先行条件を変える等の試行錯誤をしていくこと、と、考えるポイントはたくさんある。


 他に印象に残ったのは、広い意味での教育について述べていたところ。「分化の原理*2」に基づくシェイピングなどは、「教える」ということについて実に基本的な考え方を整理していると思った。

*1:行動することで、何か良いことが起こったり、悪いことがなくなったりすると、その行動は繰り返される。p7

*2:強化される行動は、強化されない行動に比べて増えていく。弱化される場合は、弱化されない行動に比べて減っていく。p63