- 出版社/メーカー: 日活
- 発売日: 2006/04/07
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なんと重苦しい映画だ。この作品、基本的にはずっと「救いようの無いシーン」が続く。例外は、主人公が自分の体内にいる赤ちゃんの心音を聴く場面と、ラストシーン。前者はものすごく印象的な、幸福そうな笑顔。そして後者は、決意を秘めた、覚悟を決めた母としての顔。シンプルだけど、隙のない脚本だったと思う。
それにしても、貧困はあらゆる場面で負の局面を作り出す。なぜ負の局面を作るのか、それはこの映画で描かれているコロンビアの状況に現われているが、「人の値段」が強烈に安いからだ。昨日のNHKスペシャルでも中国の農村における貧困状況について取り上げていたが、「貧しい」ということは、やはり悲惨なことなのだ(「心の貧しさ」とか、そういう次元の話以前の問題として)。・・・結局のところ、私には実感として何も理解できていないのだろうけれども。正面から無知と貧困をあつかうテーマの映画を見ると、どうにもやりきれない思いになる。