『アメリ』

　最初にこの映画を見たのは飛行機の中、座席の小さな画面だった。そのときはあまり興味を惹かれなかった。おそらくこの映画は見る人によって評価が激しく分かれる類のものだとだけ感じた。

　最近、知人がこのビデオを見て面白かったと言っていたので、借りて再挑戦してみた。・・・面白い。うん、いいよこの映画。映像はきれいだし、その視点にこだわりがあった。監督の遊び心がふんだんに現れていて、小さな笑いがちりばめられていて。肩の力を抜いて、「話題作」なんてことを忘れてみたら、娯楽としての映画の王道を行っていると思いますよ。まあ、話の筋としてはどうということも無いし、評判になりすぎたのは不思議ではある。かといって「こんな女が現実にいたらいやだ」的な評価はおかしいでしょう（『タクシードライバー』の主人公に対しても同じことを言う人がいるようだけど。もう阿呆かと）。

　まあ、なんだ。飛行機の中みたいなストレスの溜まる状況でみる映画では無いのは確かですね。国際便で見る映画は釣りバカ日誌と相場が決まっているのですよ。