雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

語学の天才まで1億光年

語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル) 作者:高野秀行 集英社 Amazon 高野秀行著。これまで読んだ氏の著書から、著者のことを明確な目的を掲げてそれに向かってどんな壁でも乗り越える超人かと思っていたのだが、氏も私と同じく悩み、迷い、回…

日本3百名山ひと筆書き

日本3百名山ひと筆書き 田中陽希日記 作者:田中 陽希 平凡社 Amazon 田中陽希著。最後の山を登りきるまで、一切の移動手段を利用せず、自分の足だけで踏破するという途方もない距離と期間の冒険談。免許の更新やコロナによる自粛期間など、紆余曲折を挟みな…

シートン動物記 灰色熊の伝記

シートン動物記と言えば、まずは「オオカミ王ロボ」が思い出されるが、今回読んだ「灰色熊ワープ」も良かった。苦境、孤独、力と復讐、そして老い。普通に人間を主人公にしても問題ないような壮大な物語であった。しかも、なんと絵は白土三平である。 オオカ…

ルードウィヒ・B

ルードウィヒ・B (手塚治虫文庫全集) 作者:手塚 治虫 講談社コミッククリエイト Amazon 手塚治虫著。本作品は手塚先生の遺作であり、未完である。というより、未完の遺作が他に2作(『ネオ・ファウスト』と『グリンゴ』)あるということで、そのすごさに改…

小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇

小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇 (ちくま文庫) 筑摩書房 Amazon 伊坂幸太郎編の短編小説詰め合わせ。個人的に気に入ったのは、以下の4作品。 町田康「工夫の減さん」 泡坂妻夫「煙の殺意」 一條次郎「ヘルメット・オブ・アイアン」 宮部みゆき「サボテン…

苦役列車

苦役列車(新潮文庫) 作者:西村賢太 新潮社 Amazon 西村賢太著。著者のことは、亡くなるまでほとんど存じ上げなかった。その後、様々な記事を読むたびに興味が湧いてきて、一度読んでみようと手に取ったのが本書である。 私は、著者の人間性が前面に出てい…

暗殺教室(1)~(21)

暗殺教室 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:松井優征 集英社 Amazon 松井優征著。漫画の名作を子どもと一緒に全巻通して読もうシリーズ(前回はヒカルの碁)。マッハ30の速度を操る元暗殺者の教師と、その暗殺を政府から託された生徒の話、とまとめると意…

ダーリンは70歳

ダーリンは70歳 (コミックス単行本) 作者:西原理恵子 小学館 Amazon

一流の頭脳

一流の頭脳 作者:アンダース・ハンセン サンマーク出版 Amazon アンデシュ・ハンセン著。「スマホ脳」が面白かったので、続けて読んでみた。脳を鍛え、休ませ、栄養を与えるには有酸素運動をするのが良い、という非常にシンプルなメッセージを様々な観点から…

奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業

奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業――この生きづらい世の中で「よく生きる」ために 作者:荻野 弘之,かおり&ゆかり ダイヤモンド社 Amazon 荻野 弘之著。マルクス・アウレリウスを読み、セネカを読んだ後のエピクテトス。ストア派の本はしっくりくる。 世…

HUNTER×HUNTER (37)

HUNTER×HUNTER モノクロ版 37 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:冨樫義博 集英社 Amazon 生きていれば、良いこともある。約4年振りの新刊だ。こうして第37巻を読める日が来るとは・・・。ハンターハンターの新刊を読むたびにいつも思いだすのが、はてブの…

人生の短さについて

人生の短さについて 他2篇 (光文社古典新訳文庫) 作者:セネカ 光文社 Amazon セネカ著、中澤務訳。大切な本と出会えた。これからも繰り返し読みたい、と思える本に出会えたこと、そしてそれが2000年前に書かれた本であるということは、私にとって非常に運命…

HUNTER×HUNTER連載再開

『HUNTER×HUNTER』37巻(冨樫義博・著/定価528円(税込))の発売が11月4日(金)に決定しました。 — 少年ジャンプ編集部 (@jump_henshubu) 2022年9月19日 ときて、 「週刊少年ジャンプ」2022年47号(10月24日発売)にて『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博・著)…

ミトンとふびん

ミトンとふびん 作者:吉本ばなな 新潮社 Amazon 吉本ばなな著。人生における、「当たり前」なるものの有難さ、かけがえのなさを様々な場所から描いた短編集。特に気に入ったのは、書名と同じタイトル「ミトンとふびん」。しみじみとした。

恒子の昭和

恒子の昭和: 日本初の女性報道写真家が撮影した人と出来事 作者:笹本 恒子 小学館 Amazon 笹本恒子の写真集。本書に写る昭和の日本人は、照れも媚びも見られず、といって笑うでもなくピースを見せるでもなく、男も女もどこか堂々としており、格好いいと感じ…

岩合光昭の世界ネコ歩き

岩合光昭の世界ネコ歩き 作者:岩合 光昭 クレヴィス Amazon 岩合光昭の世界ネコ歩き2 作者:岩合光昭 クレヴィス Amazon 岩合光昭さんの世界ネコ写真集。旅気分、でも映っているのはネコばかり。どのネコもかわいい。

頭の中身が漏れ出る日々

頭の中身が漏れ出る日々 (PHP文芸文庫) 作者:北大路 公子 PHP研究所 Amazon 北大路公子著。『生きていてもいいかしら日記』が面白かったので続けて読んでみた。面白くて、かつ記憶に残らないところが素晴らしい。

沈まぬ太陽(1)~(5)

沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-(新潮文庫) 作者:山崎 豊子 新潮社 Amazon 山崎豊子著。今日で日本航空123便墜落事故から37年。本書はこの事故を元にして書かれたものだが、とにかく長かった。物語上重要でもなく、かつ伏線にもなっていない場面が多…

夜が明ける

夜が明ける 作者:西加奈子 新潮社 Amazon 西加奈子著。人が生きていくことの難しさと、それでも懸命に生きていく姿を描く。皆が成功するわけではないし、皆が強く生きられるわけでもない。むしろ、人生はうまくいかないことばかりだし、どうすれば良いのかも…

我が友、スミス

我が友、スミス 作者:石田 夏穂 集英社 Amazon 石田 夏穂著。読後、爽やかな気持ちでスクワットがしたくなる。しかし本書は、身体を鍛えることの素晴らしさや効能を描いた作品、ではない。それよりも、自分自身を誰かの物差しで評価されたり、他人が決めたル…

ローマの哲人 セネカの言葉

ローマの哲人 セネカの言葉 (講談社学術文庫) 作者:中野孝次 講談社 Amazon 中野孝次著。「すらすら読める徒然草」の中で、著者が兼好と並んでセネカを愛読していると知り、本書を手に取ってみた。印象に残った言葉を抜粋してメモしておく。 自分の権能外の…

塞王の楯

塞王の楯 (集英社文芸単行本) 作者:今村翔吾 集英社 Amazon 今村 翔吾著。前作「じんかん」と比べて、全てを描き切った傑作だと思う。同年に直木賞を取った米澤穂信氏の「黒牢城」よりも私はこちらの作品の方が好み。 石垣を用いて最強の楯を作る穴太衆と、…

母親からの小包はなぜこんなにダサいのか

母親からの小包はなぜこんなにダサいのか 作者:原田ひ香 中央公論新社 Amazon 原田ひ香著。誰かの書評を見て、長いタイトルだなと思いながら手に取ってみたが、特に感想なし。登場人物があまりに自己中心過ぎる(相手のことを慮ることの少なさ)ところに引い…

世界のシェー

世界のシェー (よりみちパン!セ) 作者:平沼 正弘 理論社 Amazon 平沼 正弘著。世界中をまわり、現地の人に「シェー」のポーズをとってもらう、ただそれだけの写真集。ばかばかしい、のかもしれないが、にもかかわらずこの感動は一体何なのだろう。赤塚不二夫…

目でみることば

目でみることば 作者:おかべ たかし 東京書籍 Amazon 「阿漕な商売」とか「折り紙つき」とか、日常の言葉として使っているものの、その語源を知ってみるとなかなかに新鮮だった。とはいえ、本書は語源辞典ではなく写真集。「灯台もと暗し」など、考え抜かれ…

だらだら動物図鑑

だらだら動物図鑑 エクスナレッジ Amazon 他の動物もあくびするんだな。来世はナマケモノになりたい。

黒牢城

黒牢城 (角川書店単行本) 作者:米澤 穂信 KADOKAWA Amazon 米澤穂信著。有岡城を舞台に、荒木村重と黒田官兵衛が対話で繰り広げる戦国ミステリー。直木賞受賞ということで読んでみたが・・・、ちょっと籠城の展開と各事件との組み合わせに無理があるような。…

スマホ脳

スマホ脳(新潮新書) 作者:アンデシュ・ハンセン 新潮社 Amazon アンデシュ・ハンセン著。絶え間ない情報の刺激によってスマートフォンから離れられず、膨大な時間を注ぎ込んでしまうことで、思考力(集中力)が低下し、運動量が落ちて、不安をもたらす。人…

生きていてもいいかしら日記

生きていてもいいかしら日記 (PHP文芸文庫) 作者:北大路 公子 PHP研究所 Amazon 北大路公子著。良い読書体験だった(ただ、本書の内容については何も覚えていないのだが)。 とにかく面白かった。肩の力の抜けた(抜けきった)文体で、悪意もなく、毒気もな…

傘のさし方がわからない

傘のさし方がわからない【電子特典付】 (コルク) 作者:岸田奈美 コルク Amazon 岸田奈美著。「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」、「もうあかんわ日記」に続く三冊目(三部作?)。書籍化される前にネットで読んだ「全財産を使って外車…